マンハッタンを拠点とするデザイナーのマディー・ムーンは先週、コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)の2024-25年秋冬コレクションのショーでランウェイデビューを果たした。それも一人ではなく二人で。彼女は現在、妊娠9カ月。お腹の中にいる娘とともに大舞台を歩いたのだ。
「ヒラリー(コリーナ ストラーダのデザイナー、ヒラリー・テイモア)がうちでディナーを食べにきたときに、妊娠していることを伝えたんです。そのときはお腹もあまり目立っていなかったんですけれど、彼女は私に(次回の)コレクションのショーを歩かないかと聞きました。ヒラリーは、ファッション業界が置いてきぼりにしがちな人たちのために服をデザインし、ランウェイモデルに起用する人です。話題作りのためではないとわかっていたので、快く引き受けました」
それから数カ月後、妊娠後期に入ったムーンはドラマティックなルックを纏って、テイモアが描いていたコレクションのヴィジョンを叶えた。
「ルックを何着か試着しに行ったんですけれど、マタニティファッションにありがちな、膨張して見えるコーデにするのは嫌だと二人で話していたんです」とムーンは笑いながら言う。「妊娠していると、着る服を見つけるのが難しかったりします。でも、最終的にランウェイで着たものを試着したとき、まるで自分が変わったかのように感じたんです。普通は着たときのモデルの気持ちまで考えたルックはないんですが、このアイテムたちを纏ったらセクシーな気分になって。だから選ばれたんだと思います」
彼女がランウェイで披露したのは、黒のシルクとレースのボクシングパンツとミントグリーンのシャツドレスからなるコーデ。ドレスは上部分のボタンだけを閉めてさらりと羽織り、妊娠発表時のリアーナを彷彿とさせるお腹見せスタイルで登場した。「セクシーさ」と「女性の強さ」を表現し、ブランドの今シーズンのテーマに完璧に結びついているスタイルだ。
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ショー前の慌ただしさの中、ストラーダはムーンの様子を尋ねた──「気分はどう?ちゃんとセクシーで強くなった気がしている?」。「本当に、ちゃんとそういう気持ちにさせてくれるルックでした」とムーンは語る。「妊娠中の女性には、アイアンマンレースの選手と同じような持久力があるという研究結果を最近読んだんです。これが強さでなければ、何が強さなのかわからないです」
Text: Margaux Anbouba Adaptation: Anzu Kawano
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